暖かく無関心なホットする人(P君) 746話

 午後5時15分、D君は会社の仕事が終わり、駐車場に向かって行く途中、リカちゃんに
電話を掛けた。「ブルルル、ディーン。」「リカちゃん、今度の土曜日、また家具屋に
行くじゃん。これで家具屋に行くの最後にしたいんだ。」「かわいい、新鮮。」「あっ、
つい男友達に話すような言葉で言っちゃってごめん。」「いいって、はじめてディーン
が「じゃん」何て言うから、キュンときちゃって。これがディーンがよく言う「ため口」
で話すと距離が縮まるってやつだよね。」「そうだよ。リカちゃんも遠慮しないで、どんどんため口で話して。」「うん、そうする。自分で言うのも変だけど、一様、親に大切に
育てられて箱入り娘だったので、ため口で話す習慣がなかったけど、こういう話し方の方
が楽。」「でしょ、それに楽しいよ。あっ、そうそう話そうとしていた事なんだけど、
今度で家具屋に行くのを最後にしたいんで、リカちゃんの欲しい家具も買いたいんだけど
何かあるかな?」「えっ、いいの?」「いいよ、言っちゃって。」「今使っている鏡付きの化粧台はまだ使えるんだけど、いい機会だから新しく買ってもいいかな?」「OK。他に何かあるかな?これがホントに結婚前に行く最後の機会だからね。」「ちょっと考える
時間をくれるかな?明日の夕方までに考えておく。」「わかった、じゃ、また明日聞くね
。」
                                    つづく