暖かく無関心なホットする人(P君) 239話

   D君はインプレッサに乗り込み、何処にもよらないでアパートに帰った。「良かった、5時15分は、リカちゃんに電話するのに一番いい時間だな。リカちゃんも一人暮らしだと
いつ電話してもいいけど、そうじゃないからな。」彼はリカちゃんが好きなハンバーグ
を作ろうと思った。材料の玉ネギを出し、洗って細かく切って、豚ひき肉と混ぜ、形を整えハンバーグの形にした、それをフライパンの油で熱して、火が通ったら出来上がり、
なんだ簡単じゃないか。これを牛肉で作ったら、もっと美味しいかも知れない。彼は
同時進行で、ご飯を炊き、キャベツを刻み、クノールカップスープを作った。
 午後6時30分、彼は夕飯を食べた。食べながら「早く土曜日が来ないかな。」と思った
。午後7時、今晩読むのはマタイの福音書26章だ。26章はイエス様が十字架に架けられる直前の出来事だった。主がべタニアのらい病にんシモンの家にいるとき、一人の女が高価
な香油の入った石膏の壺を、主の頭に傾け注いだ記事と、イスカリオテのユダが大祭司
に主を売った記事と、過ぎ越しの食事(最後の晩餐)の記事と、ゲッセマネの園の記事と
イエス様の逮捕と裁判の記事だった。
                                   つづく