暖かく無関心なホッとする人(P君)3342話

 12:25
リーダー 「面白そうな本だね。ところでこの青年会では皆に「あだ名」を付けるのが
     恒例なんだけど、柳沢君にも付けたいんだけど何かないかな? 」


D君 「KKは柳沢君と親しいよね。普段なんて呼んでるの?」


KK 「本当は柳沢先生って呼ばないといけないんだけど。彼の方が「先生
   なんて言わないで下さい。ただの一樹でいいです。」って言ってるんで、
   一樹君って言ってます。」


D君 「一樹君じゃ、あだ名にならないよ。うーん、誰かいい案ない?」


ガッキー 「いっくんっていうのは?子供っぽいか。却下。」


D君 「柳沢君はどんなあだ名がいいの?」


柳沢 「あだ名じゃないんですけど僕は35っていう数字が好きなんです。」


D君 「どうして35。」


柳沢 「それは昔読んだ本に「人生は35歳で決まる。」っていう本があったんです。
    その本に当時かなり影響されました。その本の著者によると、35歳の時、
    どんな人だったかでその人がどんな老後を迎えるかがわかるって言います。
    35歳っていう歳は、それまでの人生の総決算。それまでダメな暮らし方をして
    たら、やり直す最後のチャンス。35なら失敗してもやり直せる。35からやり
    直して39まで頑張れば、なにか結果が出せる。でも40になってしまうと保守に
    回ってしまい、頭がかたくなり、新しいことにチャレンジできない。僕は今29
    ですけど、26の時まで一般企業の正規社員でした。でも上司のパワハラで毎晩
    残業しているうちに眠れなくなり、病院に行ったら「うつ病」と診断されました
    。その後会社を解雇され、実家のある千葉に帰り、2年間昔読んだ本ばかり読ん
    でいました。そのうちに体調も回復し、28歳から自分で本を書いてみよう。と
    思い、本を発行したらこの本が大ヒット。で、今日に至るわけですが僕は35歳
    まで全力で本を書き続け、その歳の時にある程度の数の読者がいたら小説家と
    して生きていき、そうじゃなかったら辞めて他の職業に進みたいと思います。
    もしそれまでに結婚していたら奥さんになる人も僕の夢に協力してくれるんじゃ
    ないかと思います。でも35歳を過ぎても夢を追い求めるなんて子供っぽいと
    思います。もっと安定した職業に着かないといけないと思うんです。一人じゃ
    ないですからね。35歳を過ぎたら自分の周りの人のことを考えないといけない
    と思うんです。」


リーダー 「なるほどね。」


D君「それで35か。そういえば思い出した、僕がこの教会に初めて来たのは35の時だ。」


柳沢「そうなんですよ。35になると「自分はこのままでいいのか?」って立ち止まって
   考えるんです。就職にしろ、なににしろ35歳って一つの区切りです。」


 リーダー 「いいね35。35っていうあだ名はどう?」


D君 「それじゃ囚人みたいでマズいです。」


リーダー 「そうだよね。じゃあサーティーファイブってのはどう?」


ガッキー 「それいい。31アイスクリームみたい。」


D君 「でもちょっと長すぎるよね。」


リーダー 「じゃあサーティーってのは?」


柳沢 「いいですねそれ。」


リーダー 「じゃそれに決定。」


                                    つづく