暖かく無関心なホットする人(P君) 37話 

 1月10日〈火)、D君は6時ごろパッと目が覚めた、去年までのグズグズした朝が、まるで嘘のようだ。すっかり時短が身に着いた彼は、以前より仕事もテキパキし早く仕上げる
ようになった。なぜなら彼には、この後もっと重要な仕事があるので、出来るだけ早く家に帰らなければならないからだ。
 仕事が終わり、彼は会社から出て、急いでインプレッサに乗り込んだ。アパートに帰ると、部屋のエアコンを入れ、会社帰りにコンビニで買った、唐揚げ弁当とサラダをパクついた。何しろ時短が大事だと彼は気づいた。多少高くても、時は金なり、というように金
より時間の方が大事だと思うようになった。今晩読むルツ記は4章と短いがサムエル記上
は31章ある、あわせれば35章ある。長いが今は6時半だから寝るまでには読めるだろう。
 すっかり、このリズムになった彼は、まるでランナーにでもなったようだった。ルツ記
は割と読みやすく、あっと言う間に読み切った。


                                 つづく