暖かく無関心なホッとする人(P君)1929話

 10時28分、D君が左横に座る隆一を見ると、初めて教会の礼拝に出席する緊張か、
これから何をするのか、ガチンコチンに緊張していた。聡もそうだった。女性陣は
今ごろ落ち着いているんだろうな。いざとなると女性の方が度胸が据わっている、
とD君は思った。初めて礼拝に出席する人の緊張をほぐしたり、聖書や聖歌のページ
を開いて渡すのも隣に座る人の大事な仕事だ。
 10時30分、
司会者 「ただいまより本日の礼拝をはじめます。今朝はクリスマスメッセージです。
     それでは皆さん、ご起立して下さい。新聖歌OO番を御一緒に歌います。」
礼拝が始まった。D君は新聖歌OO番を開いて隆一に渡した。左の方を見るとリーダーも
聡に同じことをしていた。
D君 「クリスマスということで、隆一もきっと聞いた事のある讃美歌が流れるよ。」
   と小声で隆一に話した。


♩♩♪♬♪♪♬♪♩♪~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
未信者にも馴染みのあるメロディーが流れだした。
隆一 「あっ、この曲なら知っている。」と言って、さっきよりリラックスしてきた。


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12時、礼拝が終わった。隆一と聡を見ると二人とも相当疲れた顔をしていた。無理も
ない。1時間半も難しい話を背筋をびっしっと真っすぐにして聞いていたんだから。
D君 「二人とも疲れただろう。隣に休憩する部屋があるから、そこで青年会のみんなで      昼食をすることにしているんだ。コンビニ弁当だけどね。夕食はもっと豪華だよ。ケーキも出るしね。青年会は食費500円だよ。その前にトイレに行こう。」
                                    つづく