「信仰のリアリティーを求め続けたヨハネ」

 12弟子の一人ヨハネは、弟子になる前は兄ヤコブと一緒に漁師の
仕事をしていました。場所はガリラヤ湖、近くの町カぺナウムに住ん
でいました。彼は20代の青年でしたが、みんなは、雷の子とあだ名
を付けていました。彼は、それほど曲がったことが大嫌いで、それは
違うと思ったら感情そのまま雷を落とす人でした。彼はユダヤ教徒で
したが、毎週通うシナゴークにいるユダヤ教の指導者に少しも魅力を
覚えませんでした。自分も将来あんな人になると思うとゾっとしまし
た。それで最近、エリヤの生まれ変わりと評判のバプテスマのヨハネ
という人を訪ね、その人の弟子になりたいと思いました。
 それでヨルダン川の向こう側べタニアのヨハネのところに弟子入り
しました。確かに今まで会ってきたユダヤ教の指導者と違って、言葉
に力があると思いました。ある日いつものようにバプテスマのヨハネ
は近くのヨルダン川に行き、ヨハネも一緒に行きました。それは師が
民衆に洗礼を授けるためでした。そのとき、彼が師と仰ぐバプテスマ
のヨハネに向かって一人の男が近づいて来ました。それを見て「見よ
、世の罪を取り除く神の子羊だ。」バプテスマのヨハネはキリストが
イスラエルに現れることを知っていましたが、その人が誰であるかは
、知りませんでした。ただ、洗礼を受けた時、天から聖霊が鳩のよう
に降る人が、キリストであることを教えられていました。そして洗礼
を授けているとき、ある一人の人に、そのことが起こり、この人こそ
がキリストだと分かりました。
 その次の日、バプテスマのヨハネは漁師ヨハネと、もう一人の弟子
アンデレと一緒にいた。近くを歩いているイエスを見て、「見よ。神
の子羊だ」と彼らに言った。二人の弟子はそれを聞いて、イエスの後
に付いて行った。これを読むと彼らは、あっさりしすぎだろ。と思う
かも知れませんが、そうすることをバプテスマのヨハネ自身が望んで
いました。彼らの背中を押した形でした。イエスは彼らの足音が自分
の方に近づいて来るのを聞いて、後ろを振り返り二人の青年を見た。
そして「何を求めているのか?」と言った。すると彼らは言いました。
「先生、どこに泊まっておられるのですか?」イエスは「来なさい。
そうすればわかる。」と言った。こうして彼ら二人はイエス様の後に
ついて行き最初の弟子になった。
 ヨハネは紆余曲折して、ようやく生きた神、探し求めていた人に、
めぐり逢いました。ヨハネを引き寄せる何かが、ありました。この人
は今まで会った人とは違う。とヨハネは思いました。