暖かく無関心なホッとする人(P君)2842話

 7/28(日)午後4時、D君は午前の礼拝、3時のスターバックスのお茶の後、アパートに帰って来てからリーナの実家に行くまでちょっと時間があるので食堂のTVをボーっと見ながら、まったり休んで考えていた。
D君 (この平成の終わりから令和の始めにかけて、世の中も身の回りも目まぐるしく
    変わって行った。TVのニュースを見れば悲惨な事件ばかりだ。まず幼稚園児を
    狙った無差別殺人、続いて元国家公務員事務次官まで上り詰めた父親がその息子
    を殺すという事件、そして京都アニメーションのビルの放火殺人事件。芸能界で
    はジャニーズ事務所のジャニー喜多川さんの死去、吉本興行の問題。めまぐる 
    しくいろんな問題が起きてきた。まるで平成末期まで噴火を我慢していた活火山
    が令和になって大噴火を起こして、人々の目に触れて来たようだ。でも個人的に
    暗いニュースばかりじゃない、同じ会社の後輩唐沢がコーちゃん27歳の誕生日
    にプロポーズして見事OKをもらった。二人ともまだ洗礼は受けていないけど、
    教会の礼拝、青年会には続けて来ている。このまま教会に来続けて、二人とも
    洗礼を受けてから教会で結婚式を挙げるだろう。樗澤さんも熱心に教会に来てい
    る。最近は木曜の夜の祈祷会にも出席しているそうだ。令和になってから車で
    迎えに行かないでいいようになった。自分で車で来るようになった。あれだけ
    お酒が好きだったのに最近はほとんど飲まなくなったそうだ。樗澤さんいわく
    「以前は酒でも飲まないと、やってられないことだらけだったけど、教会に行く
    ようになってから、あんまり酒を飲みたいと思わなくなったんだよ。」と笑なが
    ら話していた。樗澤さんも近いうちに洗礼を受けるだろう。それと何よりうれし
    思ったのは、信仰の意味がよく分かったことだ。今まで信仰って何かにより頼む
    ことだと思っていた。クリスチャンの場合、イエス様により頼むこと。確かに
    そうなんだけど、それ以外にも意味があるって閃いた。それは何か悩むことが
    ある場合、そのことを悩みに悩んで相手に「こう言おう。」と思い、神様に祈っ
    たとしても、まだそのことを悩んでいるなら、手に持ったバトンを相手に渡して
    いないのと同じだ。つまり相手を信頼していない。これは次の走者に対して酷く
    失礼なことをしていることになる。これと同じことを神様に祈った後も悩みつづ
    けるクリスチャンも中にはいる。わかった。祈るってことはバトンを神様に渡す
    ことなんだ。そのあとは悩んじゃいけないんだ。悩むってことはまだちゃんと
    神様にバトンを渡していないからなんだ。
                                     つづく

暖かく無関心なホッとする人(P君)2841話

 3/25(月)朝6時、D君は起き急いで朝の準備をして、聖書のヨハネの福音書の17章
を開いた。リーナを起こす7時まで時間がある。D君は前から「どうして罪の全くない
イエス・キリストはユダヤ人に殺されたのか?」知りたかった。今のところわかったことは、ユダヤ人は2回目の十戒石板の「あなたにはわたしの他に神があってはならない。」
に従って、「神(主)は一人。」ということを何より大事にしていた。そんなところに
イエス様が現れ、「私も神なんだよ。」と数々の奇跡で証明したが、ユダヤ人はそれを
受け入れず、ついにイエス様を殺してしまった。そこまではわかる。D君は前から
ヨハネの福音書17章が気になっていた。その章はイエス様と12弟子が最後の晩餐の
ラストの場面でこの後、ゲッセマネの園に出かける。言ってみればこの章はイエス様の
遺言のようで、最重要な事しか言っていない。そんなわけでここを読めば、イエス様が
最も弟子たちに知ってもらいたいことが、きっとわかると思った。D君が最も心に突き刺さったのは3節の「その永遠のいのちとは、彼らが唯一のまことの神であるあなたと、
あなたの遣わされたイエス・キリストとを知ることです。」だった。これはどう考えても
二人のことだ。一人の神ではない。それなのに聖歌ではどうして「~三つにまして、一人
の神~」と歌うんだろうか?D君の疑問は深まった。
                                    つづく

暖かく無関心なホッとする人(P君)2840話

 午後5時30分、D君のインプレッサは予定通りリーナの実家に着いた。🚙
車から降り、、、、玄関に入った。
D君 「ただいま帰りました。」
リーナママ 「お帰りなさい、少し休みますか?」
D君 「いえ、時間がないのですぐカレーを作ります。」
                               つづく