暖かく無関心なホットする人(P君) 2話

 P君は親切に座席と熱いコーヒーを用意してくれた。彼はジャニーズ系のイケメンで、さぞかし女性にもてるだろうと思った。ふと彼の左手の薬指を見ると、指輪は無かった。
P君は自分の左隣の席に座ると、彼もコーヒーを飲んで「これで、二度目の雪ですね。
11月の雪はビックリしましたね。まだスタッドレスに履き替えていない人が多かったんじゃないですか?インプレッサ、いいですね。雪道にはノーマルタイヤで走れるほど強いそうですね。クリスマスごろ毎シーズン初雪が降りますが、今年は雪の降るのが一月早いですね。」
 彼は前から知っている友人に話すように、滑らかに語った。おかげで、こちらの緊張
も溶けた。仕事柄まず名刺交換するのだが、教会では相手がどんな人か知らなくても、
問題ないみたいだ。自分も自己紹介しなくていいなら、すごく助かる。と思った。
 P君も自分の事を何も話さなかった。教会では、どんなバックグラウンドか知らなくても問題ないようだ。彼は人間関係の距離感の、つかみ方のプロフェショナルだ。、初対面
の人にどう接すればいいか距離感の取り方が絶妙だ。距離感が1000mだと冷たく感じ
(何の会話もない状態、これだと歓迎されていることが伝わらない。また、この教会に
来たいと思わない。)かと言って、しゃべりすぎて、D君が知られたくないプライベート
な話題に触れ、傷つく。(距離感が10mだと、近すぎ、嫌な人になってしまい、もう二度と、この教会に来たいと思わない。)P君は最適な距離感を知っていて、100mぐらいがちょうどいいと瞬時に分かりました。D君は、すっかりP君のファンになりました。教会
って、居心地のいい場所だと思いました。また来週の日曜日に、この教会に来ようと思った。
                             つづく