暖かく無関心なホッとする人(P君)2563話

 午前6時10分、脱衣室で着替えたD君は食堂に行き、、、、食卓のポットでコーヒーを
作り椅子に座って、ひとくち飲んだ。☕~食卓の上に置いてある聖書の出エジプト記
を開いた。出エジプト記は何回か読んだ。今回はテーマを決めて読むことにした。その
テーマは「創世記から出エジプト記の間にユダヤ人は変わってしまった。」だ。
創世記の書かれていた時代、つまり天地創造からヨセフの死まで読むと、神様は何度も
「我々」として登場し、アダムを創るとき父なる神様は他の二人の神様と相談して人間
アダムを三人の神の姿と同じように作ることに決めた。この創世記を読めば出エジプト記
の二回目の十戒石板の「わたしの他に神があってはならない。」という言葉と矛盾してい
ることがわかる。なのになぜユダヤ人は創世記を軽んじて二回目の十戒石板だけを重んじ
るのか?その結果イエス様を殺害するという暴挙に突き進む。これはブレーキの故障した
列車が一旦走り出すと誰にも止められないのと同じだと思った。では何時そのブレーキが
故障したか考えると、信仰継承が続いた、アブラハム、イサク、ヤコブ、ヨセフの時代は
よかったが、ヨセフの死後その兄弟たちも死に、その時代の信仰のある人はいなくなった
。そしてエジプトにはヨセフ物語を知らない王が現れた。D君はユダヤ人が変わって
しまったのはこの時だと直感した。
                                    つづく

暖かく無関心なホッとする人(P君)2562話

 10月9日(火)朝6時、D君は起きた。イノッチの結婚が決まり、やっと肩の荷が降り
ホッとしたD君だった。ここ1,2か月はイノッチのことをずっと心配していた。結婚には
タイミングがある。30代のうちに結婚しないと、40代になると男性の場合は難しくなる
、女性は35歳までだろう。これで隆一(プーさん)、聡(ゲンP)、イノッチと結婚が
決ったから、これからは前から気になっていた、出エジプト記の謎、自分の聖書研究に
集中できると思った。読書の秋だ。涼しく頭が一番クリアな季節だ。自分の聖書研究は
創世記には割とご自分達のことを「我々」と言って、その我々は「我々に似せて人を
創ろう。」と言ってアダムを創った。だからアダムを見れば神様の姿がわかる。アダム
は人間の男性だった。一人の人だった。ということは我々(父なる神様、子なる神様、
聖霊なる神様)はそれぞれ一人の人の様であったと思う。だから新約聖書で再臨の時は
天のみ使いも子(イエス様)も知らない、ただ父だけが知っておられる。とイエス様は
言った。ここからわかることは父なる神様ですらイエス様に全てを教えないということ。
父なる神様と子なる神様の関係を考えてみると、父は子がいてはじめて、ご自分の立場がハッキリする。子も父がいて自分の立場がハッキリする。でも別の人格だから相手の思っていることは分からなくて当然。なのに出エジプト記に入ってユダヤ人に十戒が与えられ
最初の十戒石板は砕かれてしまい、そこに書かれていたことが分からなくなってしまった
。しかしそのヒントはある。それは創世記に書かれていたことと矛盾するわけがない。
つまり創世記をよく読めば、最初の十戒石板に書いてあったことがわかる。しかし残念な
ことにユダヤ人達は創世記を無視して(特に我々を無視している。)、出エジプト記を
尊重している。でもそれは二回目の十戒石板だ。それが原因でイエス様は殺された。
そんなことを考えながらD君はベッドから降り、着替えるために脱衣室に向かった。


                                     つづく

暖かく無関心なホッとする人(P君)2561話

 午後11時、
D君 「恋愛は行き当たりばったりなんだ。昔はこんな風にしたら彼女は喜ぶんじゃない   
    かなんて、恋愛マニュアル本を読み漁ったりしてしていたけど、そうじゃないん 
    だよね。まだ片思いの時だけど。ある時からわかったんだ。野球の試合で投手が
    どんなボールを打者に投げてくるかなんて、打者は絶対分かりっこない。彼女が
    どんな事を望んでいるかなんて分からないのと同じなんだ。とにかく投げてきた
    ボールを振らなければ何も起こらない。それを打者がこのボールが来たら、こう
    打てばいい。なんてチャンチャラ可笑しい。だってそうだろ、そんなボールが
    来るかなんて誰にもわからないんだよ。もし望んだコースにボールが来たとして
    も、それが変化球でバットに当たったと思ったら、バットをすり抜けて空振り
    かも知れない。プロ野球でも3割打つ打者は好打者と言われている。だから彼女
    にアタックして3割OKを貰える人はモテる人なんじゃないかな。モテる人でも
    7割はフラれることになる。空振りしても気にしないで、バットを振り続ける人
    だけがモテる人になるんじゃないかな。とにかく何も計画しないで、行き当たり
    ばったりに彼女にアタックし続けるんだ。1打席に3回バットを振るチャンスが
    ある。ストライクゾーンに来るボールは3球あるんだ。とにかく好球必打だ。
    バーベキュー大会の時プーさんとアリスちゃん、ゲンPと檜山の2組のカップル
    を見て、サッシーの結婚したい願望はマックスになった。つまり絶好球ど真ん中
    の直球が来た、このタイミングを見逃してはいけない。だからあの時イノッチに
    メールをしたんだ。それでイノッチがバットを振ったらホームランだったんだ。
    わかったかな。ものにはタイミングがあるんだ。それがわかる人が恋愛偏差値が
    高い人なんじゃないかな。」
リーナ 「なるほどねー。」
                                    つづく