暖かく無関心なホッとする人(P君)1842話

 D君は思った。人には大きく分けて、自家発電型の人と電力供給型の人がいる
と思う。何を意味するかと言うと。自己責任感がある人は自家発電タイプの人
だと思う。彼は周りの環境に関係なく、どこでも電力を作ることができる。周りが
どんなに劣悪な環境でも、その中で自分に今あるもので、何とか次のステージに
上ろうと、もがく。また次のステージに上ろうともがく。これは登山と同じで
「あそこまで頑張ろう。」と全力を尽くして、一休み、体力が回復したらまた
「あそこまで頑張ろう。」と全力をつくして、一休み、その繰り返しで気が付いたら
山の頂上にたどり着いている。だから彼は始めは頂上を見ない。見ると「あんな
高いところまで上るのか。」と思い、精神的にそれだけでつらくなってしまう。
でも登山の時の様にコツコツ少しずつ進んでいけば目標にたどり着く。これが
自家発電タイプの人だ。対して電力供給タイプの人は、自分で何とかしようとは
思わないで、周囲の人を頼りにして、他人に頼もうとするけど。よく考えてみて
ほしい。その人から頼まれた人は、結果がどうであれ痛くも痒くもない。ただ
頼まれた人に「ああダメだった。」の一言で終わってしまう。恋愛では直接でなく
間接的に好意を伝えると、相手に熱意が伝わらない。熱意が伝わると気持ちも
動きだす。ちょうど冷たかった水が火の熱でお湯に変化するようだ。だから直接
好意を伝えることは大切だと思う。ただし、タイミングあっての事だと思う。
何より「あなたは仲介する人がいなかったら、どうするつもりだったんですか?」
と言うマイナスな印象が付いてしまう。恋愛に限らず、いろんな面で他人に頼る
人は電力供給タイプの人。もし電力がストップしたらどうするつもりですか?
と聞きたい。そういう人は自己責任感がなく、いつでも誰かが助けてくれると
思っている。それは他人との境界線がハッキリしない事と関係があると思う。
他人は他人。自分は自分。と境界線がハッキリしている人は、自分の気持ちを
ハッキリ他人に伝えられる。自家発電タイプの人はこれができる。しかし、
電力供給タイプの人はこれができない。そんなことをお風呂場で考えていた。


                                つづく