暖かく無関心なホッとする人(P君)1554話

 10時45分、車は本線に戻り再スタートした。
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リカ 「ディーンは青年会の仲間といる時よく面白い話をするね。最近のはあるの?」
D君 「最近気になるのは時間とお金とどっちが大事かということだよ。」
リカ 「面白そう。」
D君 「それはお金じゃないかな。って大勢の人は言うと思うけど、本当にそうかな?
   例えばここに一人の若者がいる、便宜上彼をA君としよう。A君は30歳、大学を
出てから、いろんな女性と付き合ったり、彼は車が好きでいろんなスポーツカーに乗った
りしていたから、貯金は殆どなかった。もう一人はB君、彼も30歳、彼はA君とは対照的で節約家で、まじめ君で、今まで女性と付き合ったことが無かった。が、貯金が趣味で
2000万円も貯めていた。年をとっても彼らの性格は変わらなかった。むしろその性格が
ハッキリしてきた。よく金持ちほどケチだと言われるけど、まさにB君はそうだった。
A君はというと、若い時にさんざん好き勝手に遊んできたので、歳をとってからそんなに
遊びたいと思わなかった。ただ男女の友人は多かった。彼らが老人になったときB君の
元には多額のお金があったが若者が嫌いだった。なぜなら彼らには時間がたくさん残っていたからだ。彼はお金より時間の方が大切だとこの歳になってわかった。」
リカ 「じゃあ、若い時はお金を貯めるより時間を大切にした方がいいってこと。」
D君 「多分ね。まだ続きがあるんだ。そのA君は好き勝手に生きてきたせいか、自分を
   なにより大切にしよう、という心構えが身についていた。どんな目にあっても自分
だけは生き延びてやろうと思っていた。他人がどう思おうと自分の頭で考えて、なにか
変だと思ったら、どうして?と思い他人に合わせなかった。それに若い時に好きなことを
してきたので、過去、あの時こうすればよかった。という後悔はなかったので、前しか
見ていなかった。だから死んだ後の世界が気になった。B君はというとA君と逆だ。
つまり自分を犠牲にしても、お金を大切にして、自分の命を大切にしなかった。それに
いつも他人を気にしていたので、他人に合わせる癖が付いてしまい、変なことを変だと
思わなくなってしまった。過去を振り返り、あの時こうすればよかった。と後悔ばかりしていたので後ろ向きの考えで、未来に必ずある死んだ後の世界を少しも考えなかった。」
リカ 「ディーンはAタイプの人ね。」
D君 「そうだよ。」
                                    つづく