暖かく無関心なホッとする人(P君)2561話

 午後11時、
D君 「恋愛は行き当たりばったりなんだ。昔はこんな風にしたら彼女は喜ぶんじゃない   
    かなんて、恋愛マニュアル本を読み漁ったりしてしていたけど、そうじゃないん 
    だよね。まだ片思いの時だけど。ある時からわかったんだ。野球の試合で投手が
    どんなボールを打者に投げてくるかなんて、打者は絶対分かりっこない。彼女が
    どんな事を望んでいるかなんて分からないのと同じなんだ。とにかく投げてきた
    ボールを振らなければ何も起こらない。それを打者がこのボールが来たら、こう
    打てばいい。なんてチャンチャラ可笑しい。だってそうだろ、そんなボールが
    来るかなんて誰にもわからないんだよ。もし望んだコースにボールが来たとして
    も、それが変化球でバットに当たったと思ったら、バットをすり抜けて空振り
    かも知れない。プロ野球でも3割打つ打者は好打者と言われている。だから彼女
    にアタックして3割OKを貰える人はモテる人なんじゃないかな。モテる人でも
    7割はフラれることになる。空振りしても気にしないで、バットを振り続ける人
    だけがモテる人になるんじゃないかな。とにかく何も計画しないで、行き当たり
    ばったりに彼女にアタックし続けるんだ。1打席に3回バットを振るチャンスが
    ある。ストライクゾーンに来るボールは3球あるんだ。とにかく好球必打だ。
    バーベキュー大会の時プーさんとアリスちゃん、ゲンPと檜山の2組のカップル
    を見て、サッシーの結婚したい願望はマックスになった。つまり絶好球ど真ん中
    の直球が来た、このタイミングを見逃してはいけない。だからあの時イノッチに
    メールをしたんだ。それでイノッチがバットを振ったらホームランだったんだ。
    わかったかな。ものにはタイミングがあるんだ。それがわかる人が恋愛偏差値が
    高い人なんじゃないかな。」
リーナ 「なるほどねー。」
                                    つづく

暖かく無関心なホッとする人(P君)2560話

 その夜、二人はイノッチ達の事で興奮してなかなか眠れなかった。
ベッドの上で寝ながら二人は話した。
D君 「実はイノッチが今プロポーズするようにメールで誘導したんだ。」
リーナ 「そんなことが陰であったの?」
D君 「そうでもしないとイノッチの性格からして、何も起こらないと思うんだ。
    彼は剛君がまいやんが好きだと分かると、自分の気持ちを押さえて
    剛君にまいやんを譲ってしまった。恋愛はある程度自己中でないとね。  
    あのシチュエーション以上のプロポーズのタイミングはないね。」
リーナ 「なんかディーンって、恋愛ドラマのプロデューサーみたい。」
D君 「自慢じゃないけど、男女のその時の恋愛心理を読むことができると思う。
    その時、彼彼女がどんなことを考えているかをね。これが恋愛偏差値の
    高い人の特徴なんだ。これが高ければ、気になる人がいたら、ちょっとした
    ジャブを出して脈がなければ、そこで踏みとどまって、それ以上、彼彼女に
    近づかないから、いい距離感をもって今までどうりの友達として付き合える。」
リーナ 「そう、今の人は割と学力の偏差値は気にするけど、恋愛偏差値が低い人が多い
     と思う。それで相手のことをよく知りもしないのに、いきなりプロポーズ
     してきたり。それじゃ女性としては断るのが当然と思う。」
D君 「そうなんだ。だから学生時代に勉強ばかりした人は高学歴かもしれないが、
    彼または彼女とどう付き合い始めればいいかよくわからないんだ。」
リーナ 「はじめはジャブなんだ。」
                                    つづく

暖かく無関心なホッとする人(P君)2559話

 午後7時30分、今度はリーナのスマホが鳴った。
リーナ📱 「、、、、、、、、はい、松本里香です。」
サッシー📱 「リーナ、サッシーだけど、今日はありがとう。」
リーナ 「あっ、今井先輩。」
サッシー 「リーナ、会社じゃないんだからサッシーでいいよ。」
リーナ 「どうだった?今日のバーベキュー大会。」
サッシー 「最高だった。まさか最後にあんなすごいことがあるなんて。」
リーナ 「なんですか?その最後にあったすごいことって。」
サッシー 「まだご主人から聞いていないの?イノッチがDさんに電話するって言ってた
      けど。」
リーナ 「えっ、何も聞いていませんけど。」
サッシー 「そうなんだ、じゃあ言うね。実は今日のバーベキュー大会の時、イノッチが
      私にプロポーズしてきたんだ。」
リーナ 「えーーーーーーーーーー。で先輩の返事は?」
サッシー 「それはOKに決ってるでしょ。」
                                   つづく