10:25　D君は教会の礼拝に出席する代わりに、小説を書くことにした。

　　　　「正樹、ノンフィクションの書物、聖書に衝撃を受ける。」14話

　正樹はルカによる福音書3-1から読み始めた。　　　皇帝テベリオの治世の第十五年、
ポンテオ・ピラトがユダヤの総督、ヘロデがユダヤの国主、その兄弟ピリポがイツリア
とテラコ二テ地方の国主、ルサ二ヤがアビレオの国主であり、アンナスとカヤパが大祭司
であったころ、神の言葉が、荒野でザカリヤの子ヨハネに下った。そこでヨハネは、
ヨルダン川のほとりのすべての地方に行って、罪が赦されるための悔い改めに基づく
バプテスマを説いた。そのことは預言者イザヤの言葉の書に書いてあるとおりである。

　　「荒野で叫ぶ者の声がする。「主の道を用意し、主の通られる道をまっすぐにせよ。
　　　すべての咎はうずめられ、すべての山と丘とは低くされ、曲がった所はまっすぐに
　　　なり、でこぼこ道は平になる。こうして、あらゆる人が、神の救いを見るようになる
　　　。」

　それでヨハネは、彼からバプテスマを受けようとして出て来た群衆に言った。「まむしの
すえたち。誰が必ず来る御怒りを逃れられるように教えたのか？それならそれで、悔い改め
に相応しい実を結びなさい。「われわれの先祖はアブラハムだ。」などと心の中で言い始め
てはいけません。よく言っておくが、神は、こんな石ころからでも、アブラハムの子孫を
起こすことがおできになるのです。斧もすでに木の根元に置かれています。だから良い実
を結ばない木は、みな切り倒されて、火に投げ込まれます。」群衆はヨハネに尋ねた。
「それでは、私たちはどうすればよいのでしょう？」彼は答えて言った。「下着を二枚持っているものは、一枚も持たない者に分けなさい。食べ物を持っている者も、そうしなさい。
」取税人たちも、バプテスマを受けに出て来て言った。「先生。私たちはどうすればよいのでしょう？」ヨセフは彼らに言った。「決められたもの以上には、何も取り立ててはいけません。」兵士たちも、彼に尋ねて言った。「私たちはどうすればよいのでしょうか？」
ヨハネは言った。「誰からも、力ずくで金をゆすったり、無実の者を責めたりしてはいけません。自分の給料で満足しなさい。」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　つづく