暖かく無関心なホッとする人(P君)2815話

 午後5時、浩二は自分のボロアパートに帰って来た。夕飯を一緒に食べようと思えば
食べられたけど、そうすると以前付き合っていたころと同じことの繰り返しになってしまう。真由美が俺との結婚について前向きなのはわかった。でもあせってすぐプロポーズ
しなくてもよさそうだ。こんな時はどうすればいいかD先輩に聞いてみよう。
D君📱 「----はい松本です。」
唐沢 「松本先輩、唐沢です。」
D君 「おお、唐沢。どうした?」
唐沢 「実は今日、前に付き合っていた彼女と一緒に、彼女が住みたがっている物件を
    見に行ったんです。」
D君 「えーそれはすごい。」
唐沢 「脈ありですかね。」
D君 「脈ありなんてもんじゃないよ。いいかい、ほとんどの女性は自分からプロポーズ
   するんじゃなくて男性からプロポーズしてほしいんだ。彼女は着々と唐沢君に近づい     
   て唐沢君がプロポーズしやすいように計画してると思うよ。でも焦ったらだめだよ。   
   彼女は君を傷つけてしまったと思っている。彼女だってそんなすぐに前のようにより
   を戻して、何もなかったかのはように上手くいくとは思ってないよ。それが証拠に
   Mさんを通して電話してきた。で、僕に相談してきたよね。それで僕は主導権は
   君が握れるんなら付き合ってもいいけど、そうじゃなかったらハッキリ断った方が
   いいよって言ったんだ。それは君が二度と傷つかないためだよ。つまり勝ち戦には
   出るけど、そうじゃなかったら出ないべきだということなんだ。大体の人は今が
   チャンスだと思うけど、僕はそうじゃないと思うんだ。弓矢を考えてみてほしい。
   言ってみれば、今は弓に矢がセットされたところだよ。その矢を君が引っ張るんだ
   。で、その矢をMAXまで引っ張るんだ。もうこれ以上引っ張れないというところ
   まで。その矢はコウちゃんなんだ。で君が矢を引っ張る人だよ。矢はMAXまで
   引っ張られたら、勢いよく飛んでいくよ。つまりプロポーズをOKする確率が高い
   ってことかな。でも長すぎる春っていうように、その期間が長すぎると相手は不安
   になるよ。」
唐沢 「だいたいその期間はどのくらいがいいですかね?」
D君 「君は今27歳だよね。で、彼女は26歳だよね。彼女の誕生日は何月何日?」
唐沢 「6月23日です。」
D君「じゃあその日にプロポーズするんだ。今3月だから付き合うのは3か月ぐらいかな。
  前に一度つきあったことがあるから君のことはよく知ってるからね。」
                                    つづく