暖かく無関心なホッとする人(P君)2634話

 午後3時15分、
また、キリシタンたちの殉教をも恐れない信仰が支配者層に危機感を与えた。
そして、ついに1612年に禁教令が出された。さらにこの禁教政策に拍車をかけたのが
島原の乱(1637~1638)だった。重税と飢餓に苦しむ農民の一揆が、以前よりその土地に根付いていたキリスト教信仰と結びついて起こったこの乱は、幕府によって一方的に
キリシタン一揆と決め付けられ、キリシタン弾圧が激しくなった。このような中で
江戸幕府は禁教政策の一環として、仏教寺院の機能を利用した。それが檀家制度。
どの家でも地域の寺院に檀家として登録させ、その登録をしない家庭は一切の社会生活
が出来ないようにさせた。それが寺請制度と言い、家が寺の檀家であることを証明する
ために寺の発行する証明書を寺請証文と言った。島原の乱の後、全ての日本人が登録を
強制された。(これを宗門人別帳に記載した。)
 ここまで読んでBさんは、当然といえば当然だが、一人の独裁者が、その国を支配していれば民主主義と信教の自由を保ち続けることはできないことを改めて確信した。
そしてこの時代に生きていなくて本当によかったと思った。今の日本は民主主義と
信教の自由を勝ち取ったが、この宝物の価値を認識して活用している日本人は少ないと
思った。
                                    つづく