暖かく無関心なホッとする人(P君)2633話

 午後3時10分、Bさんは夢中になって続きを読み始めた。
秀吉に代わって天下統一した徳川家康は、初めのうちは海外貿易を推進するために、
むしろキリスト教の宣教師達に好意的な態度を示した。ところがその家康も、やがては
禁教政策へと傾いていった。その背後には当時の国際状況があった。宣教師を多く日本に
送り込んでいたポルトガル・スペインはイギリス・オランダとの勢力争いに敗れ、結局、
オランダが幕府との公的貿易国として絞られた。このような中で、イギリス・オランダ側
が自分たちの国を政治的に有利にするため、ポルトガル・スペインの植民地支配と宣教師
たちの関係を強調したものと思われる。(それは外国のこと、根も葉もないうわさ話、
実際は宣教師たちはキリスト教の精神に基づいて自分たちを犠牲にして、その国の人々を助けていた。)それにより幕府も警戒を強めた。(実態も確かめずにイギリス・オランダ
側の話を信んじてしまった。)
                                    つづく