暖かく無関心なホッとする人(P君)2632話

 午後3時6分、Bさんは本をめくりながら思った。「今は信教の自由が憲法で保障されているのに、どうして江戸時代初期に起こった大事件で信教の自由が失われたままで、
ほとんどの日本人が暮らしているんだろう。これがどれほどのことか知らない人が多い
んだろう。」彼は読み始めた。
 初めは織田信長のことが書いてあった。織田信長はキリシタン(クリスチャン)を保護した。それでこの時代の日本にはキリシタン大名が多かったんだろう。また長崎県には
この時代に作られた教会の建物が多く残ってる。つまりこの時代には信教の自由が保障
されていて、実際に仏教徒からクリスチャンになる人が大勢いた。織田信長は現代の首相
より、国民の幸せを考える人だったんだろう。残念ながら、その織田信長は殺されてしまった。その後、豊臣秀吉が天下統一すると伴天連追放令(キリスト教宣教禁止令と南蛮貿易に関する禁止文書、バテレンとはポルトガル語で神父のこと。)が出された。それはクリスチャンたちの信仰と団結心の強さ、そして宣教師たちの活動が権力集中させるための障害となるためだった。ここまで読んでBさんは雲行きが怪しくなってきたと感じた。


                                    つづく