暖かく無関心なホッとする人(P君)2619話

 午後7時、婦人会の賛美合唱が始まった。♬♬
続いて、壮年会の合唱賛美が始まった。♬♬
D君は去年のクリスマス祝会の事を思い出していた。あの日、初めて隆一とアリスちゃん
はここで出会った。聡と檜山もそうだった。あれからたった1年しかたっていないのに、
2組のカップルができ、隆一とアリスちゃんなんて12月のはじめに結婚した。聡と檜山も
来年の春には結婚する予定だ。D君は今年も青年会の皆でクリスマスソングを合奏したかったが、リードギターの剛君は毎週日曜日の午後は「まいやん」と二人っきりでデート
、だから練習はできない。またミキシングのイノッチもサッシーとデートだから合同練習
はできない。クリスマスソングの合奏は毎年できる。それより大切なことがある。デート
は今しかできない。ものにはすべて優先順位がある。結婚にも優先順位がある。結婚したいなら他の事を犠牲にしないと出来ない。もし将来結婚したいと思っていても、それは
相手があってはじめてなりたつ事だ。勉強や就職とは話が違う。勉強や就職なら自分一人
の頑張りで何とでもなる。でも結婚は人間相手だから全然違う。相手の人が自分のことを
いつまで待ってくれるかなんて誰にも分らない。自分のことを「好きだ好きだ。」言っていた人が次の日、別の人を好きになっているかも知れない。人間は予約やキープできない
、なのにそうしようとする人は、上から目線、対等な人間関係じゃなく、人を奴隷のように考えている。考えてみてもらいたいのは、もし自分のを好きになってくれる人が
いた場合、その人をキープして好きでも嫌いでもない曖昧な態度を取っていてそのまま。
ある時まで待っていた人はどうするだろうか?賢い人なら「このままずっと待っていて
30歳を過ぎ35歳を過ぎ、風の便りに「あの憧れの人」が自分以外の人と結婚したとしよう。それを聞いた人は何年間も貴重な若い時を無駄に過ごしたことになる。だから自分
に好意を持っている人がいつまでも好意を持ってくれているわけがない。もしそう思っているなら、その人を滑り止めの高校ぐらいにしか考えていない。ずいぶん失礼な話だ。


                                    つづく