暖かく無関心なホッとする人(P君)2603話

 午後2時、D君が真っ先に昼寝から起きた。他の人はまだ寝ている。きっと日ごろの疲れが溜まっているんだ。自然に起きるまで寝かせておこう。自分はどういうわけか起きたい時間ピッタリに起きる特技を持っていた。D君は皆を起こさないよう会堂に移動した。
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D君は無人の会堂の一番後ろの席に座り、スマホでD君の勤める出版社が小説を書いてもらっているBさんに電話を掛けた。Bさんにはいつもお世話になっている。自分はその
Bさん担当の編集者だ。Bさんは多分50歳ぐらい、いわゆるアラフィフだ。小柄で
身長が160cmぐらいしかない、小太りで髪の毛も薄い。奥さんの話を聞いたことがないから離婚したか、一度も結婚したことがない。とにかく独身だ。Bさんの家に原稿を取りに行くといつもコーヒーを入れてくれる。話し相手がいないせいか自分が行くといつも
日ごろの愚痴やどうでもいい世間話を聞かされる。これも仕事と割り切って話を聞くようにしている。分かったことは、それは違うと思っても、とにかく黙って話を聞いてあげることだ。そうすると相手の人は、「この人は自分の味方だ。」と思って心を開いてくる。
そんなわけでBさんは自分に心を開いているんだ。と思った。D君はこの孤独なBさんに
クリスマスカードを送った。来てくれるかどうかわからないから電話してみよう。
                                     つづく