暖かく無関心なホッとする人(P君)2477話

 早朝6時30分、D君はヨハネの福音書18章の後半の続きを読み始めた。金曜日の明け方イエス様はユダヤ教の大祭司カヤパの所から、総督ピラトの官邸に連れて行かれた。
 ユダヤ教徒達は宗教上の理由から官邸に入らなかった。それでピラトの方から彼らの所
に出てきて言った。「あなたがたは、この人に対して何を告発するのですか?」それに対して彼らは「もしこの人が悪いことをしていなかったら、私たちはこの人をあなたに引き渡しはしなかったでしょう。」と答えた。そこでピラトは「あなたがたがこの人を引き取り、自分たちの律法に従って裁きなさい。」と言った。それに対してユダヤ人達は私たちには、誰も死刑にする権限は持っていないことをピラトに告げた。当時のイスラエル(
ユダヤ)はローマ帝国に支配されていて、その属国ユダヤを治めるユダヤ州の総督ピラトの権限がなければ誰もユダヤ人を死刑にすることはできなかった。)そこでピラトは官邸の中に入りイエス様だけ呼び寄せ質問した。「あなたはユダヤ人の王ですか?」その質問に対し「あなたは、自分でそのことを言っているのですか?それともほかの人が、あなたに私のことを話したのですか?」ピラトが「私はユダヤ人ではないでしょう。あなたの
同国人と祭司長たちが、あなたを私に引き渡したのです。あなたは何をしたのですか?」
と聞くと、「わたしの国はこの世のものではありません。もしこの世のものであったなら
、私のしもべたちが、私をユダヤ人に渡さないように戦ったことでしょう。しかし、事実
、わたしの国はこの世のものではありません。」そこでピラトは聞いた。「それでは、
あなたは王なのですか?」それに対し「わたしが王であることは、あなたが言うとおり
です。わたしは、~。」イエス様との会見を終えたピラトはもう一度、二階のテラスから
ユダヤ人たちを見下ろし、「私は、あの人には罪を認めません。しかし過ぎ越しの祭り
に、私があなたがたのために一人の囚人を釈放するのがならわしになっています。それで、あなたがたのために、ユダヤ人の王を釈放することにしましょうか?」とイエス様を無罪にしようとした。しかし彼らは大声をあげて、「この人ではない。バラバだ。」と
叫んだ。このバラバは強盗だった。


                                     つづく