暖かく無関心なホッとする人(P君)1997話

 12/26(火)午後3時、リーナはまだ寝ている。D君はインスタントコーヒーを作って
飲んでいた。☕~音を出すわけにもいかず、リーナも寝ているので静かに留守番していた。
 つい隆一達の事を考えてしまう。今の自分が彼らと一緒に行動したらと考えていた。
自分は既婚者だから彼らと考え方はもちろん違う、でも既婚者と同じような女性との距離を取れれば、女性の方からその男性に恋をすることができるのではないか?と思った。
それが出来れば誰も苦労しないのではとも思うが、暇なので考えてみた。
 一つわかったことは、女性の立場に立って考えてみるということだ。女性は誰でも
恋をしたい。でも男性から先に自分に対し恋を抱かれてしまうと、それ以上恋心が大きく
ならない。なにより女性は恋心を大きくしたいのにそれができない。未婚男性は女性が
そんなことを考えているのに、自分の気持ちを優先して、こうすれば女性を喜ばす事が
出来るなんていうマニュアル本を読みふける。自分が昔そうだった。でもダメだった。
 それでそんな本を読むことを辞めた。相手はころころ気持ちの変わる生き物だ。それを
この場合はこうして対応すればいい、なんてことはない。例えばスキーのモーグルを考え
て見るとよくわかる。こぶ斜面の連続だ。理屈でなく練習するしか上達する方法はない。
恋愛もそれに似ている。トラブルの連続だ。ひとつクリヤーしても次々に問題が起こる。「考えるな、感じろ。」だ。痛い思いをして、たくさん失恋して身に着く。言ってみれば
男性はキャッチャーのように、どこに飛んでくるか分からない投手のボールを無心で
キャッチする捕手のようなものだ。捕手はどんなボールでも取れれば問題はない。あと
肩が強ければいうことなし。だから投手と違ってあまり緊張しない。D君は思った。
女性はピッチャー、男性はキャッチャーだ。女房の尻に敷かれている夫は上手くいくって
よく言われる。だから男性が女性より先に出てはいけない。女性が投げたボール(恋心)
を男性がキャッチするしかない。でもそれじゃあ、自分が好きになった人とは結ばれないじゃないか?って思うかもしれないが、恋愛成就の大前提は「A君好きになってくれた
女性としかA君は結婚できない。」と言うことだ。A君がどんなに好きな女性でも、その
女性がA君のことに無関心だったら結婚まで至らない。だからその女性がどんなことを
考えているのか知っておいた方がいい。だから自分はキャッチャーだと思って一応サインを出すが、ピッチャーはそのサインに首を振らないこともある。投手(女性)が主導権
を握っている。で、まだ付き合っていない内は、女性が積極的(プラス)になった男性はその女性と結婚できる可能性がある人で、そうでない女性はその可能性が低い。
 まとめると女性は恋をしたい(プラス、恋愛に積極的)。でも男性が自分より先に自分に恋をしてしまうと、そのプラスエネルギーが消えてしまう。だから最初のうちは女性が恋心が抱けるように、男性は受け身なスタンス(マイナス、恋愛に消極的)でいった方が二人だけで付き合えるようになる可能性が高い。
 それが相手が美人だと男性は舞い上がってしまい、この法則を忘れてしまい、自分が
相手の女性より先に恋(プラス、恋愛に積極的)をしてしまうと、その時点で、
「この男性は無いなって。」女性に思われてしまう。そんなことを思っていた。


                                     つづく