暖かく無関心なホッとする人(P君)1970話

 朝6時15分、D君はマタイの福音書1章を開いた。そこにはアブラハムからイエス様の
肉親ヨセフまでの系図が書かれていた。新約聖書しか読まない人にとっては退屈かも知れないが、逆にユダヤ人は旧約聖書しか聖書と認めていないので、親しみのもてる人の名前
がずらっと並んでいるので、ユダヤ人には読み易い書だと思う。D君はユダヤ人がどんな
理由でイエス様を殺したのか知りたかったので、一人のユダヤ人なったつもりでマタイの
福音書を読んでみることにした。事実、マタイの福音書はユダヤ人のために書かれたと言われる。
 16節からイエス様の誕生のことが書いてあった。多くの人はマリヤの懐妊の記事で「そんなバカなことはありえない。マリヤは婚約者を裏切ったのだ。」とし普通の妊娠しか考えない。D君も以前このことが原因で聖書を信じなくなる人が多いのでは?
とリーダーに質問したが、リーダーは見事な回答をした。それは多くのクリスチャンでも
わかっていないことがある。マリヤの卵子と霊的な精子が結びついてイエス様が母体で
妊娠したと思っているが、それだとイエス様に罪があったことになってしまう。どういう
事かというと、マリヤはアダムから延々と続く罪の遺伝子を持っている、そこに聖なる
精子(罪のない)が結びついたとしても、半分は人間の罪の遺伝子を持っている。でも
そうではない。20節をよく読むと。「~「ダビデの子ヨセフ。恐れないであなたの妻
マリヤを迎えなさい。その胎に宿っているのものは聖霊によるのです。~」人間と聖霊の
合作のようなことじゃなくて、100%聖霊によるのです。よく考えて見てほしい、初めの
人アダムは卵子と精子の結びつきで赤ちゃんとして生まれたのではなく、超自然的に大人
として生きたものになった。「~その鼻にいのちの息を吹き込まれた。~」創世記2-7
この鼻にいのちの息を吹き込まれたのは、子なる神だが、いのちの息というのは聖霊だったと思う。イエス様の場合も初めから命のある神の聖なる卵子がマリヤの胎に着床したのだった。それが証拠にへブル書10-5には「ですから、キリストはこの世界に来て、
こう言われるのです。「あなたは、いけにえやささげ物を望まないで、わたしのために、からだを作ってくださいました。」と言っています。
つまり、はじめから天上に子なる神として存在していた方がマリヤの胎に父なる神が用意した聖なる卵子の中に入られたのです。その血液型は人間とは全く違いました。ペテロはその血液を「尊い血」と言って表現しています。(ペテロ1-1-19)ですからマリヤは言うなれば代理出産したようなものです。イエス様はその事実を知っていたので産みの母に
向かって「あなたとわたしと何の関係があるのでしょう。女の方。わたしの時はまだ
来ていません。」(ヨハネ福音書2-4)とよそよそしい発言がところどころにあります。
産みの母マリヤも初めからこの子は自分の子ではないので、ある程度距離を置いていた
様に思います。聖書のところどころにマリヤが代理出産のために選ばれたことが書いてあります。
                                     つづく