暖かく無関心なホッとする人(P君)1964話

 午後9時10分、D君はホッとしていた。これでもう何もしなくても来週も、この4人は
教会に来てくれる。隆一と聡という魚の喉深くにブスッと釣り針が刺さっている。
これでもう魚は釣れたと同然だ。
隆一 「大輔、今日はありがとな。また来週ここで会おう。」
聡 「同じく、じゃまた来週。」
D君 「おやすみ、じゃまた。」
 午後9時15分、
D君とリーナは駐車場に止めてあるインプレッサに、積もった10cmぐらいの雪を手袋で
払いのけた。それから車に乗り込みエンジンを掛け、アパートに向かって走り出した。
雪は降りやんでいた。
                                    つづく