暖かく無関心なホッとする人(P君)1925話

 さらにリーナの妹、加藤美香と同じ大学の3年生で、いつも授業の時となりに座る
親友の女の子、彼女は乃木坂46の西野七瀬に似ているので、みんなから「ナーちゃん」
と呼ばれている。その子も教会のクリスマス祝会に来るそうだ。合計で新しく男性2名、
女性4名が教会のクリスマス祝会に来ることになった。D君は喜んだ。今度のクリスマス
は大漁の予感がした。
 リーダーの「あたたかく無関心でホッとする」性格を自分も身に付ける事を目標に、
この1年間がんばってきた。1つ解ったことは、知っている事でも我慢して言わない事、知っているとつい口が先に出て「あっ、その事なら知っている。」と言ってドンドン周りの人に噂を広めてしまう。それじゃ情報のストッパーになれない。自分のエリア50%
に留まっている事、他人の話を知っている事でも知っていると言ってしまうと、その人の
50%エリアに入ってしまうことになってしまう。知らんぷりをして人の話に耳を傾けると話をする人は嬉しい気持ちになる。これには自分のエリア50%に留まるブレーキ能力     
自分を抑える力、つまり我慢が必要。話す人は「あっ、この人はこの事を知らないんだな。」と思い可愛く思う。そんな人が近くにいると、あったかい気持ちになり、そのことに今まで無関心で話していてホッとできる。リーダーはまさにそんな人。
それで自分の個人情報、故郷は何処とか、家族構成とか、過去、1年近く付き合っているのに何も聞いて来ない。自分には全く関心がないのかと思うと、そうじゃない一緒にいてすごくホッとできる。人は二人で無言でいると不安になって、つい言わなくてもいい相手の個人情報を聞いたりしてしまうがそれは大失敗。
そうでなくてお互いから遠い話題、政治の話とか芸能人のニュースとかスポーツの話とかを話せばいい、だからTVのニュースとか新聞を読んでおくことは大切だなと思う。
リーダーはどんな話題にもついて来られる。だから彼と話していると面白くて仕方ない。
知っているんだけど、その話題に興味があるふりをする。なかなかできることじゃない。
彼はアメリカ留学中、他人の個人情報を知ってはいけないことを徹底的に叩き込まれた。
彼の影響で1年前教会に来る前の自分に比べて少しはリーダーに近づけたかなと思った。 
この1年は10年にも匹敵するほどの劇的な変化の年だった。それは1枚のChristmasカードから始まった。あのとき勇気を振り絞って教会に行っていなかったらと思うと一瞬ぞっと
した。でも現実はそうではない。今まで何度も交通事故で危険な目にあったが、奇跡的に
自分も相手も無傷だった。まさにギリギリセーフ。自分は本当にラッキーマン。
だからブレーキの効きは最重要。
 人間も同じ、思ったことをそのまま口に出してしまうと、相手の人を精神的に傷つけることになる。だから思った事に一瞬ブレーキを掛けて「はたして今このことを話しても
いいのだろうか?」とストップを掛けられる人はブレーキ性能が優れている。
子供はこの性能がまだ身についていないので思ったことをストレートに話してしまう。
正直に話すことが必ずしも正しいとは限らない。子供は人を傷つけない事の方が大事だと言うことがまだわかっていない。リーダーにもつらい過去があったと思う。でもアメリカ留学中のルームメイトがリーダーの個人情報に触れて来ないのでホッとしたと思う。
だから彼も帰国してから、アメリカの友人の真似をしようと思っているんだろうと思う。     それだからD君も1年近くリーダーと付き合っているけど、彼の事をあまり知らない。
でもそれが彼の望んでいることだろうと思う。
                                    つづく