暖かく無関心なホッとする人(P君)1265話

 午後5時15分、D君は会社の仕事が終わり駐車場に行く途中、リカに電話を掛けた。
リカ  「ブルルル、ブルルル、ディーン。」📱
D君  「リカちゃん元気?最近涼しくなってきたね。」📱
リカ  「まあ何とか夏を乗り切ったっていう感じかな。ディーンは?」
D君  「僕もそんな感じ。最近思うのは体の肉体的な疲れは誰だって気が付くから、
    そうなった時は栄養のある物をよく食べて早く寝れば回復する。(ビタミンB1
    は肉体疲労に効果的)でも精神的な疲れ(頭脳労働)は気が付きにくい。気が
    ついた時には精神疾患を抱えている。だからそうなる前に手を打つことが大切
    なんだ。(神経疲労にはビタミンB12が効果的。)
リカ  「そうなる前に手を打つって、どんな手を打つの?」
D君  「そうだなあ、僕がよくやるのは会社から頭脳労働で疲れて帰ってきたら、
     見たい番組でなくても、ただ適当にTVを見ながらコーヒーを飲むことかな。
     そうしているといつのまにか、元通り元気になっているんだ。ねえ、知ってる
     。ひゃっくりが止まらなくて困った時どうすればいいか?」
リカ  「えっ、知らない。どうするのそんな時?」
D君  「リカちゃんだって、ひゃっくりになったことあるでしょ。」
リカ  「それはもちろんあるけど。」
D君  「そんな時どうしたら止まった?」
リカ  「どうしたんだろう。わからない。」
D君  「そうでしょ。方法なんてないんだよ。でも止まった。ひゃっくりは止めようと
    思って止められるものじゃないんだよ。それは呼吸と同じで誰だって呼吸しよう
    として呼吸しているわけじゃないでしょ。脳の一番奥の脳幹でおこっていること  
    だよ。脳死の患者だって呼吸してるでしょ。それは無意識で起こっている事なん
    だ。」
リカ  「あっ、そうか。」
D君  「で、ここが大事なんだけど、ひゃっくりは止めようとしないで、止めようとす
     ることを諦めて、別の事を始めることだよ。別にひゃっくりを何千回したって
     死ぬわけじゃないんだから、考えるだけ時間の無駄だよ。そんな時間があった
     ら別のことに時間を使った方が利口だよ。」
リカ  「そうだよね。で最初の話と、どう関係するの?」
D君  「ごめん、それが関係あるんだよ。精神的な疲れ(頭脳労働)は、ひゃっくりに
    似ているんだ。止めようとしないで(精神的な疲れを取ろうとしないで)、
    その時間を全く別の事に使おうとするんだ。するとそのことに夢中になって、
    気が付くといつのまにか、ひゃっくりが止まっている。不思議だね。あんなに
    止めようとしても止まらなかったのに、諦めたら止まるなんて。僕の場合は
    会社で嫌なことがあっても、そのことを忘れようとする時間がもったいないので
    ただ、ぼーっとしてTVを見ることかな、そうすると必ず興味のあることが見つ
    かる。」
                                    つづく