暖かく無関心なホットする人(P君) 572話

 午後5時15分、D君は会社の仕事が終わり、駐車場に向かう途中、リカに電話を掛けた
。「ブルルル、ディーン。」「こんなに早く電話に出る人いなかったよ。」「でしょ。」
「まるで午後5時15分はトランシーバーみたいで楽しいね。」「えっ、トランシーバー?
」「トランシーバー使った事ない?」「ないよ。」「トランシーバーって、小型無線機
なんだ。ちょっと形は携帯をオシャレにした形だけど、最大の違いは通話料が要らない
ことかな。基本使用料もいらない。携帯会社と契約を結んでいないから、当たり前だけど
。弱点は通話はトランシーバーのペアの相手にしか掛けられないし、短距離でしか通話
できないことかな。だからデパートの店員同士とか工事現場でよく使うよ。」「面白い。
」「だからこの時間は二人のトランシーバーみたいだね。」
                                   つづく